お薬の知識
知っておきたいお薬に関する大切な知識
お薬の正しい飲み方・注意
お薬(錠剤やカプセル剤)は通常、シートや袋に入っています。まず、きちんとシートや袋から取り出してお飲みください。
お薬は水またはぬるま湯で飲んでください。お酒や牛乳などで飲むと、お薬の効き目が強まったり、弱まったりします。飲んでいる薬によっては食事などに影響されるものがありますので、薬剤師までお気軽にご相談ください。
お薬を飲む時間を良く理解しましょう。
食前・・・食事の30分から1時間前に飲みましょう。
食後・・・食事の後30分くらいで飲みましょう。
食間・・・食事の後2時間くらいしたら飲みましょう。
就寝前・・寝る直前あるいは30分くらい前に飲みましょう。
「○○時に服用」、「○○時間毎に」など ~ 食事の時間とは関係なく、指示された通りにお飲みください。
お薬は湿気に弱いものです。直射日光や熱くなる場所は避けて自分で決めた場所におきましょう。幼児の手の届かいないところに置きましょう。冷やして保存しなければならないお薬は(座薬・液剤・点眼剤など)は冷蔵庫の中(ただし凍らないところ)に、食べ物とは別にしておきましょう。
特に注意してもらいたいこと
医師から出されるお薬は、あなたの症状や体質に合ったものが出されますので、症状が似ているからと言って他の人にあげたりしないようにしましょう。
お薬 Q&A
■ お薬を飲み忘れた場合は
■ お薬の有効期限(使用期限)について
■ お薬を飲んで気になることがあったら
■ 病院のくすりと市販のくすりはどのようにちがうのですか?
■ 服用(使用)中は車の運転をしてはいけないくすりがあるそうです。何故ですか?
■ 一般用医薬品(市販薬)でも、副作用はありますか?
■ 赤ちゃんや小さい子供に医師から処方された粉薬を飲ませるよい方法を教えてください。
■ 今までもらっていた錠剤が、水なしで飲める錠剤に変更になりましたが、くすりの効果に差はないのでしょうか。
■ 医師から処方されたくすり(医療用医薬品)を使用する場合、どんなことに注意したらよいですか?
■ ジェネリック医薬品とはなんですか?
■ 今飲んでいるくすりをジェネリック医薬品に変更したい時はどうしたらいいですか?
■ 妊娠とくすりについて専門家と相談できる窓口はありますか?
■ くすりを飲んだときは必ず授乳を止めないといけませんか?
■ 授乳中なのですが。飲んでも赤ちゃんに影響の少ない市販のかぜ薬はありますか?
■ グレープフルーツジュースを避けるべきくすりがあるそうですが、どんなくすりですか。
・次の飲み時間までに間隔がある場合には、気づいたらすぐ飲みましょう。
・次の飲む時間まで間隔がない場合は、1回飲むのをやめましょう。間違っても、2回分を1度に飲んではいけません。
・時間が決められているお薬は、飲み忘れ分を飲んだ後、次に飲む時間を遅らせるなどの工夫をしましょう。
最近はシートの端に有効期限が記載されている場合があります。湿度の低い、冷暗所に適切に保存すれば、それらの期限が使用可能な期限の目安にはなります。しかし、期限内であっても外見上なんらかの変化が認められるときには、使用しないでください。医師・歯科医師から処方されたお薬の場合には、その時の症状に応じて薬を渡していますので、お薬を飲む必要がなくなった時点で廃棄しましょう。古いお薬を捨てる勇気も必要です。
薬を飲んでいて、いつもと何か違うと感じられたり、もらった薬で気になることがあった場合は、遠慮なくお薬を処方した医師・歯科医師か調剤した薬剤師にご相談ください。
医療機関で処方箋を発行し、調剤薬局で処方される薬は医療用医薬品と言います、用法や用量などで医師や薬剤師などの管理が必要なので専門家の指示通りに使用しましょう。 医師から指示を受けずに保管して自分の判断で使用したり、自分以外の人に飲ませてはいけません。
一般に薬局やドラッグストアやインターネットなどで購入し、自分の判断で使用する市販のくすりを 「一般用医薬品」と言います。市販薬、大衆薬、OTC(over-the-counter drug)とも呼ばれています。
成分や含有量から、指示されている用量の範囲では比較的安全とされ、また、誰にでも使いやすいように工夫されたものがあります。また、効能・効果は症状からくすりが選択できるようになっているものが多く、用法容量などをわかりやすく記載した説明書がついています。説明書は必ず読み、用法用量を守りましょう。
服用(使用)後に、運転の支障となるような副作用が起こるくすりがあるからです。
副作用の代表例として、眠気、注意力の低下、眼のかすみ、めまい等があります。
服用後に、車に乗る事が想定される場合は、薬剤師等の専門家に確認をしましょう。
質問3) 解熱鎮痛薬が処方されましたが、症状が治まり薬が余りました。家族が発熱したのですが服用させてもいいですか?
絶対に服用してはいけません。
医療用医薬品(医療機関から処方された薬)は個人個人の病気にあわせて処方をしています。同じ発熱でも原因となる病気が同じとは限りません。また、子供や妊婦に危険なくすりや、アレルギーなどの副作用が発生する可能性があります。
思わぬ結果を引き起こすことの無いよう、注意しましょう。
体調等によっては副作用が出る事があります。
くすりを飲んで、発疹、熱が下がらない、身体がだるい、食欲不振がひどくなる、などの症状が悪化するようなときには副作用の可能性が考えられます。くすりを中止して医療機関で受診しましょう。
直接飲ませると、粉でむせてしまったり、 くすりの苦味、におい、ざらつき、を嫌がるため、上手に飲んでくれない事が多いと思います。
以下の方法を試してみてください。
・薬を少量の水で溶き、スプーンやスポイトなどで口の中に流し込む。
・アイスクリームに混ぜると冷たさで苦いなどの感覚が鈍ります。
・少量ジュースに混ぜて飲ませる。(オレンジジュースやヨーグルトは酸性度が強い
ので、おやめください。)
・市販の服用補助剤(ゼリー、オブラート)を使う。
その他の方法は医師や薬剤師にご相談ください。
水なしで飲める錠剤は、一般に口腔内崩壊錠(こうくうないほうかいじょう)といわれています。この錠剤は、従来の錠剤と効果に差がないことが試験で確認されています。
口腔内崩壊錠は、舌の上にのせると唾液あるいは少量の水分により数十秒で崩壊するため、一般の方のみならず、錠剤をうまく飲み込めない高齢者や水分摂取制限を受けている方にとっても有用です。
医師・薬剤師から指示された用法、用量を必ず守ってください。病状が改善したからといって自己判断で用量を変えたり使用を中止してはいけません。
使用中に気になる症状が発現した場合は、副作用の可能性もありますので、すぐに医師・薬剤師に相談しましょう。
病状が同じだからといって、以前に使用して残ったくすりを自己判断で使用したり、残ったくすりを他の人に渡したり、他の人からもらったりしてはいけません。
複数の医療機関や薬局からくすりをもらうときは、現在使用している全てのくすりを必ず伝えましょう、その際はお薬手帳が有効です。
後発医薬品(ジェネリック医薬品とも呼びます。)とは、先発医薬品の特許が切れた後に先発医薬品と治療学的に同等であるものとして製造販売が承認され販売されている医薬品のことです。
ジェネリック医薬品と先発医薬品では、主成分が同じでも添加物や製法が異なります。その違いが、薬の効き方などに微妙に現れることもあります。
しかし、先発医薬品が湿気に弱かったり、光に弱い性格を持っていても、ジェネリック医薬品は、それを改善したり、薬の味が改善されていることもあります。
ジェネリック医薬品をご希望される場合は、かかりつけの医師や保険調剤薬局の薬剤師にご相談ください。特許などの保護期間中の理由から、先発医薬品のみで、ジェネリック医薬品がない場合もあります。
「妊娠と薬情報センター」があります。妊娠や授乳中の服薬に関する情報機関です。
・妊娠していると知らずにくすりを飲んでしまいました。赤ちゃんへの影響はあるでしょうか?
・治療のためにくすりをずっとのんでいます。妊娠を希望していますが、くすりをやめた方がいいでしょうか?
このような質問にお答えするために、厚生労働省は「妊娠と薬情報センター」を設置しました。相談のすすめかたについては、ホームページまたは電話でご確認ください。
受付時間 | 月曜日から金曜日(祝日を除く) 午前10時から12時、午後1時から4時 |
電話 | 03-5494-7845 |
FAX | 03-3415-0914 |
ホームページ | http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html |
所在地 | 〒157-8535 東京都世田谷区大蔵2-10-1 国立成育医療研究センター内 |
また、当社薬局にもお気軽にご相談ください。
調剤薬務部
くすりの中には授乳を中止しなければならないものがあります。薬の処方を受ける際には、医師・薬剤師に相談しましょう。
母乳は各栄養素の質が良い、胃腸や腎臓、肝臓などに対する負担が小さいと言われ、栄養の効率がよいとされています。また、母体の持つ病気に対する抵抗力を母乳から受け継ぐことが出来ます。また、授乳による母子のスキンシップは母子相互を育て保つ上で大切な役割を果たします。
授乳中に服用しても心配がないと考えられているくすりもありますが、母乳に移行して赤ちゃんに影響を及ぼすくすりもあります。
安易に服用することは避けて、説明書(添付文書)を良く確認の上で服用してください。薬局でご購入されるときは薬剤師に授乳中であることを伝え、相談しましょう。服用は数日にとどめ、症状の改善がない場合は、医療機関で受診してください。その際、授乳中であることを医師に伝えてください。
免疫抑制剤(シクロスポリンなど)
高脂血症治療剤(シンバスタチンなど)
降圧剤(ニソルジピン、フェロジピンなど)
上記の様な一部の医薬品は、グレープフルーツジュースを飲むと効果が強く出たり副作用が現れやすくなる恐れのあることが知られています。グレープフルーツジュースには、腸管での代謝酵素の働きを抑える物質が含まれており、腸管で代謝される割合が減り、その結果体内に吸収される量が通常より増えてしまいます。
なお、この酵素の働きを抑える物質は、グレープフルーツの果肉の部分にも含まれています。ジュースだけではなく、果肉を食べる場合にも注意が必要といわれています。
グレープフルーツジュースを避けるべき医薬品は数多くありますので、新しいお薬が処方された時、ご不明な点がある時は、医師や薬剤師にご相談下さい。